2021/01/20
旧暦12月8日は、餅を月桃 (サンニン) の葉 (カーさ) に包んで蒸した鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べて厄払いする日に。
昔話に鬼餅 (ウニむーちー) の話がある。この伝説の意味するところ、詳しくは知らないのだが、少し残酷でエロい部分も含まれておりますが、
ここから先↓さまざま伝説中、鬼餅の由来を説明しようと思います。
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昔んかし、首里 (すい) ん金城という所に、
それはそれは たいそう仲の良い『ましるー』と『とみー』という兄と妹が住んでいました。
両親が亡くなって妹の『とみー』は嫁に行きました。
ー・→
そんな事とは知らづに、妹の『とみー』は、町で豊かに暮らしていました。
ある日、
『とみー』は村人にこう言われた。
「あんたの兄さんは、鬼になって人を食べているらしいよ」
『とみー』は、(・・? エッ‥と思ったが、
この世でたった一人のきょうだいである。
自分の目で確かめるまでは信じたくない‥と、急いで、大里村は西原の洞窟 (ガマ) へと出かけた。
やっぱり兄さんは、
本当に人を殺して食べていたんだ。鬼になっていたんだ。
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
倒れ込むほどショックを受けた。
ー・→
しばらくすると、兄が戻ってきて、
「おや!『とみー』じゃないか、久しぶりだな」と、鬼となった兄でも昔の妹を覚えていました。そして鬼となった兄は「美味しいものを炊いているから、食べていかないか?」と言った。
再び、
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
家に着いた『とみー』は、嘆き悲しみました。だけど今は泣いている場合ではない‥涙をこぼしながら、鬼を退治しよう、肉親の自分に出来ることはそれだけだ、と強く心に決めた。
思いは一つ。
これ以上、どうして人に迷惑を掛けられようか。『とみー』は次々に餅をこしらえた。
自分が食べる普通の餅と ⇔ 鬼となった兄さんに食べさせる「石と鉄」の入った鬼餅 (ウニむーちー) を作りました。
『とみー』は崖まで兄を連れてゆき、記しをつけた普通の餅を美味しそうに食べた ⇔ つられて兄も鬼餅を食べた。ところが、さすがの鬼となった兄でも「石と鉄」の入った鬼餅は硬すぎて食べきれなかった‥
ー;→
鬼は「自分の餅と『とみー』の餅を交替 (こうたい) しよう」と言ってきました。
ー(・・? ー?→
『とみー』は何を思ったか ?
鬼の目の前で着物の裾をまくり上げて、
『とみー』はこう言った、
「上の口は餅を食べるため、下の口は鬼を食べるため、」 と‥
おもわづ、ふいをつかれた、鬼はその行動、その言葉を聞いてびっくりし、慌てて、足を踏み外して、崖 (がけ) から 滑り落ちて死んでしまいました。
この鬼を退治したのが旧暦の12月8日なので、その日を厄払いの日として鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べるようになったということです。
おしまい ―→
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‐ ムーチーについて –
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ムーチー
ムーチーを食べる旧暦の12月8日は沖縄では最も寒い時期であり、この時期を沖縄方言で鬼餅寒 (ムーチーびーさー) と呼んでいる。
初めて、鬼餅が姿を見せる書物は、1713年、首里王府によって編集された『琉球国由来記』である。鬼となった兄を妹が退治する有名な起源説話とともに『12月の庚 (かのえ) 』という十干 (じっかん) の日に行われていたことが記されている。
ムーチーの期日である7日や8日は、金に属する庚 (かのえ) と辛 (かのと) という十干の順番から設定された可能性があるという。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ムーチー
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干支 (えと) には、
「十干 (じっかん) 」と『十二支 (じゅうにし) 』の2つあるようです。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/干支
そのうち「十干 (じっかん) 」は、
「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」の 10個 の漢字で表現するといいます。
この「十干 (じっかん) 」に陰陽五行の『木、火、土、金、水』にあてはめ、さらに、陽の兄(え)と陰の弟(と)を順に組み合わせて数字に当てはめると、7と8の数字は『金の日』になるようです。
1. 甲(木の兄=きのえ)
2. 乙(木の弟=きのと)
3. 丙(火の兄=ひのえ)
4. 丁(火の弟=ひのと)
5. 戊(土の兄=つちのえ)
6. 己(土の弟=つちのと)
7. 庚(金の兄=かのえ)
8. 辛(金の弟=かのと)
9. 壬(水の兄=みずのえ)
10. 癸(水の弟=みずのと)
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… 陰陽五行説では →
生活に関する現象と物質を木 火 土 金 水 (もくかどこんすい)5つの相互関係からなる説明を『五行論』といっています。その五行論には、相生 (そうしょう) の関係と相剋 (そうこく) の関係。2つあるといいます。
木は燃えて火に、火は木を灰にして土に、土中から金属 (鉄類) など‥鉱脈に通じ、鉱脈には水が流れて、木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 繰り返す「生む」関係を相生 (そうしょう) といいます。
反対に ⇔ 木は土を貫いて成長し、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を切り倒す、土 ⇔ 水 ⇔ 火 ⇔ 金 ⇔ 木 ⇔ 反発する『壊す』関係を相剋 (そうこく) といいます。
→ 「相生」 → 流れる (生む) 関係 ⇔ 『相剋 』⇔ 止める (壊す) 関係。2つあるといいます。
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沖縄では ;
陰部の事を「ホー / ホー・ー。」と表現しています。
古い日本語でも似た音 (おん) があり、古い日本語でも陰部の事を『火処(ほと)』と表現していたようです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ほと
*陰部 ≒ 火処
ー →
(・・!陰陽5行の「相剋 (壊す) 関係」を思い出すと?!『鬼 ≒ 寒気』がやって来る7日の 庚(金の兄=かのえ)、8日の辛(金の弟=かのと)→『金の日』に対する厄除け (鬼退治) アイテムが火処 (陰部 ≒ ホー) という事になります。
金 (鬼 ≒ 寒気) に対して ⇔ 火 (ホー) 。という陰陽5行の「相剋 (壊す) 関係」を用いているように思われます。
鬼の正体は寒気。
エロの正体は火。
→ 火 (ホー) は金属 (鬼) を退治する 厄除け儀式のようにも思います。
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